今回はじめて行われた『きんこん神決定戦』
周辺プレイヤーだけではなく、遠方からや初めてお店に訪れていただいたプレイヤーにも参加していただきました。
モダンとレガシー、総勢20名にて行われた大会。
この記事ではレガシーグループの熱い戦いを振り返りたいと思います。
・今大会を多く占めたのは『4cレオヴォルド』
レガシーグループは実に半数以上が環境最強と名高い『4cレオヴォルド』。
死儀礼のシャーマン、悪意の大梟と優秀なクリーチャーを従えカウンターや除去を構えながら相手を制圧して行くデッキです。
多種多様な戦術が取れるデッキであるが故に、その人気ぶりも伺えます。
しかし、一筋縄では行かないのが勝負の世界。
この日レガシー大会を彩ったデッキは。
4cレオヴォルド
スゥルタイコントロール
ANT
感染
と4つのアーキタイプに分かれての死闘。
予選3ラウンド、上位4名決勝トーナメントとなったこの日は4cレオヴォルドが互いにしのぎを削りあう中、コンボデッキのANT、一撃必殺の感染が堂々たる戦いで決勝に進出して行きます。
・すべてのアーキタイプが分かれた決勝トーナメント
人口密度と長丁場の試合会場に熱気がどんどんと高まる中、小休憩を挟んで決勝トーナメントへ。
決勝トーナメントでは4種類のデッキが戦う形となり、非常に難しい戦いとなっていきます。
青緑感染【手前・左】vsANT【手前・右】
形は違えど、ストームによるドレインか、毒カウンターかの一撃必殺を狙うデッキ対決。
その驚異的な毒殺スピードでANT側を押し込んで行きますが、サイド後のクリーチャー対策が功を奏し1-2で辛勝。奥のコントロール対決を見守ります。
4cレオヴォルド【奥・左】vsスゥルタイコントロール(UGBミッドレンジ)【奥・右】
この対決は序盤から激しい死儀礼のシャーマンの打ち合い。
相手のテンポを阻害し、有利に攻める事を互いに勝ち筋として動くデッキ対決は膠着から死儀礼のシャーマンの能力で1枚ずつ相手の墓地を剥いで行く、正に凌ぎ合いの緊迫した対決。
しかし、最後は詰めきったスゥルタイが苦しい戦いを勝利。決勝戦にコマを進めます。
レガシー決勝 スゥルタイコントロール(UGBミッドレンジ)vsANT
今回決勝は動画を撮影しようということになり、設営時間をいただきその間決勝前の休憩時間。
モダングループが1試合多い試合(この模様は別記事にて)を行っている中、決勝に進んだ二人は静かに試合開始前のわずかな時間を過ごします。
そして決勝戦開始。
時間無制限ルールで行われたこの試合。予選ラウンド上位通過のANT側が先行権をもらい、プレイ開始。
スタートは、
『汚染された三角州/Polluted Delta』から島を探し、『思案/Ponder』からライブラリーのトップを探り、『ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe』という動きで相手の手札を確認。手札のカードをしっかりとメモ。
一方手札を確認されてしまった後手、『渦まく知識/Brainstorm』から手札の補強を図りますが、土地が見えず。そのままターンを帰す形に。
厳しいスタートとなって行きます。
その次のターン、ANT側も手札を見つめながら少し考えた後動かずにターンを返す。
土地詰まりから脱却したいところでしたが、『渦まく知識/Brainstorm』で見たトップは依然そのままなので、手札から『タルモゴイフ/Tarmogoyf』を切る形に・・・。
ここを勝機と見たANT。2枚目の『汚染された三角州/Polluted Delta』から持ってきておいた沼から『暗黒の儀式/Dark Ritual』、『ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond』と動きます。
しかし、ただただ見過ごすわけには行かない相手も『意志の力/Force of Will』を手札の否認をピッチコストに充て『ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond』を打ち消し。その歩みをストップします。
このカウンターでANT側、コンボが一度ストップ。浮いた黒マナを処理せずにターン返し。
UGB側もターンが帰ってきますが、またも土地が引けずにそのままターンを流します。
次のターン、ANT側が『強迫/Duress』でカウンターを引き抜こうとしますが、UGB側が前々のターンに引いていた『渦まく知識/Brainstorm』でライブラリーと手札を操作。解決後にカウンターは見えず、不要ですが『致命的な一押し/Fatal Push』を指定して墓地に落とします。
そして、待望の土地が引けたUGB側。遅れを取り戻すために『タルモゴイフ/Tarmogoyf』をキャスト。
この段階で、土地・ソーサリー・インスタント・クリーチャー・アーティファクトと落ちているのでスペックは5/6に、巻き返しを図ります。
だがここで再度ANT側が動きます。『陰謀団の儀式/Cabal Ritual』をキャスト、この時点で墓地のカードが7枚以上あるのでスレッショルド達成、黒5マナを生み出せますが。ここに先ほど『渦まく知識/Brainstorm』で調整していた手札から二枚目の『意志の力/Force of Will』で再びカウンター。コンボスタートを阻止します。
ターンが帰ってきて、『タルモゴイフ/Tarmogoyf』で攻撃。驚異的なスペックで相手のライフを削るとそのまま2体目の『タルモゴイフ/Tarmogoyf』をキャスト、一気にライフを削ぎ落としに行きます。
しかし次のターンついにゲームは動きます。ANT側が『沸騰する小湖/Scalding Tarn』、『水蓮の花びら/Lotas Petal』と置くと、再び『陰謀団の儀式/Cabal Ritual』をキャスト、そのマナで『闇の誓願/Dark Petition』を唱えると、『水蓮の花びら/Lotas Petal』から赤マナを出し『炎の中の過去/Past in Flames』を唱え墓地のインスタント・ソーサリーすべてにフラッシュバックを与えます。
手札を消費してしまったUGB側、ここはただ見守るしかありませんが。すべてのパーツが墓地に揃っているANTは着実にストームを重ね、決め手である『苦悶の触手/Tendrils of Agony』最後に解決。相手のライフをすべて吸いきり1ゲーム目を制します。
・時間無制限の真剣勝負。
1ゲーム目を辛くも制したANT。入念にデッキを確認しサイドボードを考えて行きます。
苦しいゲームに終わってしまったUGB側も「対戦経験がないから、すごく悩む」とこぼしながら対コンボデッキに何が有効か選定して行きます。
サイドも終わり2ゲーム目へ。負け先でUGBがそのまま手札をキープするとANT側はマリガンを選択、1マリガンの後キープでゲーム開始。
UGB側、手札から『Underground Sea』を置くとターンをエンド、構えます。
後手となったANT側、『汚染された三角州/Polluted Delta』から沼を出すとそのまま『強迫/Duress』をキャスト、何を仕込んできたのかを確認して行きます。
対応でUGB側は『渦まく知識/Brainstorm』で操作。少し悩んだ後、そのまま解決を選び手札を公開します。
公開された手札は。
Underground Sea
汚染された三角州/Polluted Delta
新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
森の知恵/Sylvan Library
精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor
失われた遺産/Lost Legacy
ほぼ先ほど見なかったカードで手札が構成されており、『強迫/Duress』で何を抜くべきか悩みますが、手札補充と展開力を阻止したいと思い『森の知恵/Sylvan Library』を選択し、墓地へ。
カード指定し根こそぎ追放する『失われた遺産/Lost Legacy』も不吉ですが、ここは残します。
手札を確認されたUGB側、返しのターンまさにお返しと言わんばかりに強力な手札破壊『トーラックへの賛歌/Hymm to Tourach』をキャスト。マリガンし4枚になった相手の手札をランダムに落とします。
落ちたのは『汚染された三角州/Polluted Delta』と『暗黒の儀式/Dark Ritual』!序盤に必要なリソースをピンポイントで抜かれてしまいます。これがかなりのダメージとなり、次のターンは何も行動せずにターンエンド。
UGB側はその勢いを止めません。相手がストップしているこのターン、畳み掛けるかの如く二枚目の『トーラックへの賛歌/Hymm to Tourach』をキャスト。3枚しかない手札を残り1枚まで搾り取ります。
かなり苦しいANT側、『新緑の地下墓地/Verdant Catacombs』をセットし、そのまま『Underground Sea』を持ってきますが、動けず。
優勢を保つUGB側、ここで最初の手札にあった『失われた遺産/Lost Legacy』をキャスト。少し考えANTデッキ最大の手札補充呪文である『むかつき/Ad Nauseam』を指定、残った手札が『水蓮の花びら/Lotas Petal』であることも確認し、相手のデッキから『むかつき/Ad Nauseam』を追放します。
キーパーツを1つ失ったANT側、挽回のチャンスを狙って我慢のターンが続きますが、次のターンに『精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor』を着地され、+2能力でライブラリーのトップを操作されてしまいます。
その後トップ操作をかけながら存分に自分の場を展開するUGB側。『悪意の大梟/Baleful Strix』、『死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman』と次々に出し、墓地とライフ両方を削り始めます。
しかし、ANT側『渦まく知識/Brainstorm』で手札を操作すると、サイドボードから投入した『突然の衰微/Abrupt Decay』で『死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman』を破壊。墓地をいじられる事は無くなりましたが・・・UGB側、2枚目の『死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman』を着地。
再度『突然の衰微/Abrupt Decay』を撃ち込み排除しますが。『悪意の大梟/Baleful Strix』ダメージと、『精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor』の能力により打つ手がなくなり投了。
ゲームを1-1とします。
・運命の最終戦
ここで撮影カメラのバッテリー充電などで一時中断。20分の休憩を取ることに。
すでにこの時点で50分以上の緊迫した試合を行っている二人。店内の熱気もかなりのもので、水分補給と空気の入れ替えを行い、休憩時間を思い思いの時間を過ごします。
二人はこの時間何を考えていたのか?
泣いても笑ってもこれが最後のゲーム。
最後の1本を撮る準備が整い、着席。
自分のデッキのすべてをぶつける3ゲーム目。
先手は先ほど落としたANT側から。1マリガンからのスタート、初動は土地を置く前に『ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe』をライフ支払いでキャスト。手札の確認をして行きます。
UGB側の手札は、
汚染された三角州/Polluted Delta
霧深い雨林/Misty Rainforest
霧深い雨林/Misty Rainforest
Tropical Island
死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman
渦まく知識/Brainstorm
対抗呪文/Counterspell
ピッチコストで唱えられる『意志の力/Force of Will』は無いものの、『対抗呪文/Counterspell』の存在がプレッシャーとなります。
ここでしっかりとメモを取り、ドロー。さらに追加の『ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe』でドローを進め『沸騰する小湖/Scalding Tarn』から『Underground Sea』、そこから『陰謀団式療法/Cabal Therapy』で確認済みの手札の中からドロー操作を阻害するために『渦まく知識/Brainstorm』を指定し引き抜きます。
ここでコンボを決められてしまうと成す術が無いUGB側。『霧深い雨林/Misty Rainforest』をセットすると、そのまま静かにターンを返します。
構えてエンドした相手を警戒しながらANT側、『思案/Ponder』で次なる手を捜しますが少し考えた後並び替えてその後1枚引くを選択。土地を置かずにそのままエンドします。ここでUGB側は『霧深い雨林/Misty Rainforest』を『Underground Sea』へと変えておきます。
ターンが帰ってきたUGB側。着実に墓地にカードを重ねて行くANT側の行動を警戒し、もう1枚『霧深い雨林/Misty Rainforest』を置くとそのまま構えてエンド。
次のターン、ANT側がまずとった行動は『強迫/Duress』。『対抗呪文/Counterspell』を落としたい所ですが、UGB側すかさず『霧深い雨林/Misty Rainforest』を切り『Bayou』へと変えるとそのまま『渦まく知識/Brainstorm』。さらにスタックを重ね『外科的摘出/Surgical Extraction』をキャスト、先ほど撃たれ墓地にある『陰謀団式療法/Cabal Therapy』を指定し相手のライブラリーから抜き取ります。
そして『強迫/Duress』を解決するタイミングでは、
Tropical Island
汚染された三角州/Polluted Delta
霧深い雨林/Misty Rainforest
死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman
タルモゴイフ/Tarmogoyf
という状況に。上手く隠され不発に終わります。
やり過ごせたUGB側は『Tropical Island』から『死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman』を。2ゲーム目同様に墓地のコンボパーツを少しずつ奪って行く戦法に。
『強迫/Duress』をかわされたANT側は、『渦まく知識/Brainstorm』で手札を操作。その後『『汚染された三角州/Polluted Delta』でライブラリーを切り不要になったカードをリフレッシュしながら『Tropical Island』をセット、そしてサイドボードから投入した『ザンティッドの大群/Xantid Swarm』をキャスト。
これを通してしまうと『ザンティッドの大群/Xantid Swarm』が攻撃した段階でANTが行う行動全てを阻止出来なくなります。UGB側、ここは確実に『対抗呪文/Counterspell』でカウンターし自分のターンへと繋げます。
次のターン、UGB側『タルモゴイフ/Tarmogoyf』をキャスト。この時点でサイズは4/5。
ANT側、このターンはドローして動かずそのままエンド。
UGB側は1枚ずつしっかりと『死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman』の能力を使い相手の墓地を処理し、同時にライフを削って行きます。その後自身のターンでは土地を置き、『タルモゴイフ/Tarmogoyf』で攻撃。追加の行動をすることなく構えてエンドします。
そして次のターンANT側が動きを見せます。
『渦まく知識/Brainstorm』をプレイした後に『暗黒の儀式/Dark Ritual』とストームを開始する流れを展開しますが。
ここはUGB側、『意志の力/Force of Will』を通常のマナコストを支払いカウンター。
思い切った判断で流れを断ち切ります。
次のターンも『タルモゴイフ/Tarmogoyf』のみが動き相手のライフを削り、再び構えます。
ライフを詰め寄られてしまったANT側、これが最後のターンと踏みもう一度『暗黒の儀式/Dark Ritual』をキャスト。
これを見てUGB側、膝に手を置き・・・考え込んだ後に『瞬唱の魔導士/Snapcaster Mage』をプレイ。墓地の『対抗呪文/Counterspell』を再び唱えまたもやカウンター。
ANT側、考えますが。
これが決めてとなり、投了を宣言。
2-1でゲームセット。
最後は握手を交わし、互いの健闘を称えあいました。
・長い戦いが終わり。
一進一退の攻防が続いた決勝戦。
トータル時間80分近い超ロングゲームとなり、ゲーム後は脱力する姿が。
静かに見守っていたギャラリーの人々も感嘆の声をあげ始めます。
これ程までに長い戦いはそう見られるものではありません。
大会でにぎわう店内の中でも特別な空気を放っていたような気がします。
本当にお疲れ様でした。
そして初代きんこんレガシー神となられたUGBミッドレンジのプレイヤー
『Takahiro Kameyama』さん。
優勝おめでとうございます!
決勝トーナメント1位:スゥルタイコントロール(UGBミッドレンジ) スイスラウンド4位通過
プレイヤー:Takahiro Kameyama
・クリーチャー
死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman:4
瞬唱の魔導士/Snapcaster Mage:1
タルモゴイフ/Tarmogoyf:3
悪意の大梟/Baleful Strix:2
真の名の宿敵/True-Name Nemesis:2
トレストの使者、レオヴォルド/Leovold,Emissary of Trest:1
・スペル
渦まく知識/Brainstorm:4
呪文貫き/Spell Pierce:1
否認/Negate:1
対抗呪文/Counterspell:2
意志の力/Force of Will:4
致命的な一押し/Fatal Push:1
四肢切断/Dismember:1
英雄の破滅/Hero’s Downfall:1
餌食/To the Slaughter:1
突然の衰微/Abrupt Decay:2
スゥルタイの魔除け/Sultai Charm:1
トーラックへの賛歌/Hymm to Tourach:3
毒の濁流/Toxic Deluge:1
森の知恵/Sylvan Library:1
仕組まれた爆薬/Engineered Explosives:1
精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor:1
情け知らずのガラク/Garruk Relentless:1
・土地
島/Island:2
森/Forest:1
沼/Swamp:1
Underground Sea:3
Tropical Island:2
Bayou:1
汚染された三角州/Polluted Delta:4
霧深い雨林/Misty Rainforest:3
新緑の地下墓地/Verdant Catacombs:1
ヤヴィマヤのうろ穴/Yavimaya Hollow:1
・サイドボード
ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique:1
フェアリーの忌み者/Faerie Macabre:1
再利用の賢者/Reclamation Sage:1
トレストの使者、レオヴォルド/Leovold,Emissary of Trest:1
狼狽の嵐/Flusterstorm:1
青霊破/Blue Elemental Blast:1
儀礼的拒否/Ceremonious Rejection:1
外科的摘出/Surgical Extraction:1
ゴルガリの魔除け/Golgari Charm:1
トーラックへの賛歌/Hymm to Tourach:1
失われた遺産/Lost Legacy;1
滅び/Damnation:1
魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass:1
ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil:1
最後の望み、リリアナ/Liliana the Last Hope:1
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